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2006年11月29日 (水)

第49回東京国際ギターコンクール

Tsiboulski_1  11月27日、28日に第49回東京国際ギターコンクールが開催された。本選課題曲、原博の挽歌は、1970年代頃に楽譜を入手し、当時録音演奏がなく自己流に弾いていた曲でもあり、今回参加者がどのような演奏をするかも含め、コンクールに関心があった。しかし、今年は初めて平日開催ということであり、仕事を休めず聴きに行くことができなかった。

インターネット上に本選結果の速報が出ていました。
http://www.guitarists.or.jp/finalresult.html

一位 Aleksandr Tsiboulski (ウクライナ(USA))
二位 Edward Trybek (USA)
三位 Yan Skryhan (ベラルーシ(ドイツ))
四位 足立 江美子(日本)

  昨年は予選のみを聴いたが、そのときは、ベルギーのJanとロシアのArtyomが良い感じでその名前を記憶している。今年のメンバーでは、Artyom (福田さん情報では、この夏アレッサンドリア、カモーリと2つの国際コンクールで連続優勝)が一位かなと予想していたが、彼はノミネートしていたが来日しなかったようだ。

  足立さんは昨年も参加されていましたが、今年は堂々邦人1位、おめでとうございます。

2006年11月26日 (日)

マリアエステル・グスマン

2006winter_053_1  ギター文化館でマリアエステル・グスマン、手塚健旨、高木洋子のコンサートを聴いた。(かなり長い感想文を書いている途中、操作ミスで消去してしまったので、キーワードのみとします。)

ダウランドのファンタジーで始まる、硬質の音、立体感、深い陰影、粒立ちのそろったきれいな音、アルカンヘル、聴くものの背筋が伸びる端正な音楽、よどみない沸き立つような音、えんじと黒の衣装、アランフェス、すっかり手の内に入った余裕を感じさせる演奏、コルドバの華麗な宴、ピアノは音量はあるが構造上ハーモニーが濁る、グスマンとのツーショット。

素晴らしい演奏会でした。木下館長、角さん、佐藤さん、佐久間さん、お世話になりました。

山木康世のライブ

2006winter_041_1  26日は、久しぶりに師匠にギターのレッスンを受けた。レッスン場所は、つくば市のゆかりの森というところにあるログハウス内。自然に包まれた中でのレッスンは、いつもながらに厳しかったが、気持ちがよく新鮮な感じで受講できた。食事のあと、森の中で一人で演奏したが、これが最高にいい感じ。こんな場所で、弾けるのもクラシックギターの良さだろう。気温が低く、指が冷えてきたのが残念。

 夜は、水戸のライブハウス(ぼーじゃんぐるす)で山木康世のライブがあった。山木さんは、「ふきのとう」というフォークデュオをやっていた方。私が学生時代には、陽水、かぐやひめなどのLPと一緒に良く聴いていた。ここ数年水戸で定期的にライブをやっており、ライブ後にも深夜まで飲みながら話したことがある。今日のライブは、8時から始まり11時過ぎまでじっくり聴かせて頂いた。アコースティックギター1本での伴奏とハーモニカのスタイルで、この演奏がものすごくうまい。ギターを弾かれる方は是非お聴きください。山木さんの変わらない姿に感動した、充実のライブであった。

2006年11月25日 (土)

日立シビックセンター冬景色

2006winter_004  日立シビックセンター周辺が冬支度を始めた。ライトアップがすっかり定着した感がある。今年はどんな趣向だろうか?

   そういえば、いつの間にか宮下祥子さんと日立交響楽団のアランフェスが間近になっている。

2006年11月21日 (火)

ブリームのCD

 またブリームのCDの話になるが、なかなか時間がとれず、やっと6枚一通り聴くことができた。第3巻はグラナドスとアルベニスの作品の演奏を集めたものだが、まさに絶品ぞろいである。49才の録音。強烈な印象は、たとえて言えば雪景色のシーンでその冷たさの温度が伝わってくる感じだ。そして、その雪が解けてシャーベット状になるようなニュアンスまで伝わってくる。この辺のスペインものはやはりギターに向いている。実に魅力的。

9月にグロンドーナがアコラに来た際、尊敬するギタリストはブリームと言っていたが、頷ける。

2006年11月19日 (日)

鈴木幸男ゲストコンサート

2006fallsuzuki_004_1 11月18日(土)アコラで愛好家の集い(Giverny Salon)を開催致しました。ゲストに今年のアマチュアギターコンクールで2位となった鈴木幸男氏を迎え、いつもより大勢の方の参加をいただき、大変ありがとうございました。

大聖堂(バリオス)、イ短調組曲(ポンセ)より、等、名曲、名演奏でした。

会の様子は「イベントのご案内」のコーナーに掲載しています。

http://www.ijsnet.ne.jp/~dee2jak3/salon061117.htm

2006年11月18日 (土)

ソルに関する話題(5)

ゴヤの版画集「ブラボー」(山下和仁CDより引用)。ギター弾きとその聴衆を風刺しているような感じで、ギター愛好家にはあまりいい印象ではない。ギターを裏返しにして弾いているのは何を意味するのか?また、それが猿とは?

Img_7 

2006年11月17日 (金)

ソルに関する話題(4)

ゴヤとソルは同時代に同じ世界にいた可能性があり、調べてみました。

ゴヤに、ロス・カプリチョス(気まぐれ)という社会を批判・風刺した版画集がある。1799年に80枚1セットで出版された。山下和仁さんの「24 Caprichos de Goya (Tedesco)」のCDの解説にもこの一部が掲載されていた。その中にギターを弾く猿とそれを聴くロバを描いた「ブラボー」という版画がある。◆鑑賞するには耳だけで充分だというのなら、誰もそれ以上に聡明に聞くことはできないだろう。しかも、音が出ていないのに拍手喝采とは恐怖の極みだ。〔解説〕弦がなく、本当は弾いてもいない猿、従って聞こえてもいない大きな耳のロバという調子のいいカップル。これを宰相ゴドイ、カルロス四世と結び付け、ゴドイが催した国王夫妻のための音楽の宴への風刺と見るのはあまりに政治的であろう、とありました。

ソルのソナタOp.22は、平和公に捧げられています。平和公というのは1908年に失脚したマヌエル・ゴドイのことですので、ソルはゴドイと面識があったと考えても良さそうです。おそらく、ゴドイやアルバ女公爵の主催する音楽会で演奏したこともあったのでしょう。そのような場にゴヤもいたことは充分考えられるのではないでしょうか。

ソルに関する話題(3)

「ゴヤの美女」について調べてみました。

「裸のマハ」という映画の紹介HPがありました。分かりやすいので一部引用します。
19世紀を代表するスペインの画家フランシス・ゴヤ。彼が描いた世紀の名作《裸のマハ》。
1802年7月、スペインの王宮を揺るがす事件が起きた。社交界の華として、サロンに君臨したアルバ公爵夫人が謎の急死を遂げた。公爵夫人と時の王妃マリア・ルイーサとの対立は、誰もが知るところ。ふたりは貴族社会の覇権を争い、あるいは宰相マヌエル・ゴドイの愛をめぐって、激しい確執を繰り広げていたのだった。そしてゴドイが寵愛してやまない愛人ペピータ・トゥドーの存在があった。

当時、社交界の華として圧倒的な力を持っていたアルバ公爵夫人。彼女にはゴヤとは別の愛人が存在していた。時の宰相マヌエル・ゴドイ。彼は貴族社会の覇権を巡って4人の女性を、自分の意のままにしていたのだ。アルバ公爵夫人と激しい対立関係にあった王妃マリア・ルイーサ、政略結婚を強いられたチンチョン伯爵夫人。そしてゴドイが誰よりも寵愛してやまない愛人ペピータ・トゥドー。女たちはあからさまに激しい確執を繰り広げていた。この3人の女たちが、アルバ公爵夫人を死へと追いやったのだろうか?(この先は映画を見てね)

ゴヤの描いた「裸のマハ」のモデルは、ゴドイの愛人ペピータ・トゥドーのようです。

ゴヤの年譜;

1796   アルバ公爵夫人の別荘に滞在  
1800   「カルロス4世の家族」
     「裸のマハ」*「狂気の囲い場」*
     「着衣のマハ」(-05*)
1804   「ドーニャ・イサベル・デ・ポルセール」(-05)
1808   フランス軍がマドリードを占拠 「巨人」(-12)
1811    「バルコニーのマハたち」*
1812   妻ホセファ死去 「ウェリントン公爵」
1814   スペインの専制政治が復活。 「マドリード 1808年5月3日」

ソルが、マドリードに来て、アルバ女公爵に支援されていたころ、丁度「ゴヤの美女」が描かれていたようです。

ソルに関する話題(2)

アルバ女公爵について調べてみました。

Al_2

18世紀末のスペインで、当代随一の美女と謳われ、ゴヤとも一時恋愛関係にあった有名人である。彼女は、スペインの旧家に一人娘として生まれ、生まれながらの女公爵であった。夫のアルバ公爵自身は、彼女との結婚によって公爵の地位を手に入れた。当時のアルバ家というのは、正確に測れないほど広大な領土を持っており、マドリッドの屋敷から地中海沿いの別荘へ行くのに、他人の土地を通る必要がなかったともいわれる。
ゴヤが彼女の存在を知ったとき、彼女は既に大臣ゴドイの愛人であった。画家として頂点を極めたいと思っていたゴヤは、常に話題の中心で華のような存在の彼女に何とか近づきたいと考えていた。ある日、彼女のほうから肖像画制作の申し出がある。ゴヤは、用心をしてまず夫の公爵の肖像画を制作(1795年)。その後に公爵夫人を描いている。この翌年アルバ公爵は突然逝去している。
この絵は、1797年になってから制作されたもの。図では見えにくいが、絵の中で彼女が指さしている地面には『ゴヤのみ』と書かれ、愛人関係も絶好調の時に描かれたと思われる。彼女は40歳で亡くなっている。

アルバ女公爵は自分の別荘に研究室を設け、ソルはそこでイタリアオペラのスコアを見たり、ピアノを練習したようだ。ゴヤもソルの演奏を聴いたのだろうか?

2006年11月16日 (木)

ソルに関する話題(1)

ソルついて調べてみました。

1778.2.14 バルセロナで洗礼を受ける。1789頃モンセラート修道院に入る。

1798頃  マドリッド訪問
1802 ソル24歳 支援者であったアルバ女公爵(40歳)が亡くなる。
1808  コルドバ義勇軍の隊長となる。
1810-12  フランス側の軍籍に入る。
1813   フランスがスペインを撤退する。ソルもスペインを去る。

Go_3 「マドリード 1808年5月3日」     
背景はアランフェス宮殿

ナポレオン1世は1808年、スペインの制圧に乗りだし、12万の大軍を投入した。その暴挙に憤激したマドリード市民は石や棒をもって抗戦したが、たちまち鎮圧され銃殺された。ちなみに、ゴヤの「マドリード 1808年5月3日」は、その様子を描いたもの。これをきっかけに武器を取って立ち上がったスペイン国民は、山岳地帯などにたてこもり、フランス軍を悩ませたとのこと。

王政から新しい時代へ紆余曲折の混沌とした時代だったようだ。

ソルの幻想曲

ソルが作曲したソロギターのための幻想曲は12曲が良く知られています。Op.7は第2幻想曲として知られています。Op.4は通常第1幻想曲として知られていますが、この曲がロンドンで最初に出版された楽譜には2nd FANTASIAと書かれています。(実際は、Op.7のものが第1幻想曲に該当するようです。菅原氏に教えていただいたところでは、パリの出版会社によって作曲順とは無関係に作品番号がつけられたためこのようなことになったとのことです。すなわち、Op.15以前は実際の作曲の順番と異なっているとのことです。)Op.4の献呈者は、Miss Cornewalleと書かれています。どんな女性だったのでしょうか。Op.7はパリで出版されています。B.Jefferyによれば、どちらもスペイン時代に作曲されたのではないかと推察されています。

Op.7の前半のLargoは特に美しく、続くテーマと変奏も優雅です。7つの変奏が全て長調というのも特別な印象を受けます。私的には、前半の官能的ともいえる和声とドラマチックな展開はゴヤの美女に代表される爛熟した時代とその崩壊、後半は古き良き王政時代へのソルの思慕のようにも思えます。

ブリームの演奏について、一言書かなければいけないのは、前に感想を書いたのは、第2巻の演奏に対してのもので、このOp.7の前半のみは第5巻にも録音されていました。こちらは全く素晴らしいと感じました。第2巻は1980年NYでの録音で、第5巻の方ははっきりしないが1965年の録音か?全曲聴きたい!

2006年11月13日 (月)

ブリームのCD

2006fall_046 最近、通販で買い物をすることが多くなった。HMVで写真のCDを購入した。何とブリームの「スペインの音楽」6枚組とコンタサキスのCD、計7枚で¥5000ちょっとというから驚きだ。もっとも、もう1枚注文したのだが入荷が遅れたとの連絡が何回かきて、結局1ヶ月ほど待っても入荷されないので上記7枚を注文することとした。送金してからでないと送ってこないというのもちょっと気になったが、この値段ならしかたないか。ローソンからの送金も便利だ。送金後、2日できっちり配達された。

ブリームのCDは、1巻:ミラン、ナルバエス(リュート)、2巻:ソル、アグアド、3巻:グラナドス、アルベニス、4巻:タレガ、マラッツ、プジョール、リョベート、トゥリーナ、5巻:ムダラ、ボッケリーニ、ソルなど、6巻:ロドリーゴ、とよく纏まった内容。ソルに興味があって購入。第2幻想曲Op.7の全曲録音は少ないが、これはややまったりとした演奏。そしてなんといってもブリーム節といった感じ。第3変奏でメロディをしっかり出して弾いているのが印象的。フィナーレは流れを断ち切るような演奏で、相当穏やかな演奏。A.アーツが原曲にないフレーズを付け、pppで終わるところをffで演奏しているのには驚いたが、それに比べ好感を持った。演奏自体は自分の趣味に合わないが、それでも好感を与えるのはなぜなのだろう。また、演奏はきっちりしていてもさほど好感をもたない場合がある。最近感じるのは、テクニックがあったり、あるいは練習して上手く弾ければよいというものでも無いようだということだ。演奏家の方は本当に大変だと思う。ブリームはその点では得をしていると思う。

2006年11月11日 (土)

名曲の楽譜

2006fall_1 この楽譜を見て曲名が浮かぶ人は相当なクラシックギター愛好家ですね。ピアノ譜のような2段譜と厳密に場所を指定したアクセント記号がヒントです。

答えは、ソルの第2幻想曲です。これはフィナーレの部分です。ソルは、当時出始めたピアノに関心があったのでしょうか。ショパンの愛奏したピアノの製作家であるプレイエルとも親交があったようだが、この曲以外にはこのような表記はなく不思議です。

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