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2012年12月18日 (火)

個人的雑感

先日の東京国際GCの予選で鈴木さんの紹介で藤元高輝さんのご両親とお話しする機会がありました。その中で、高輝さんがどこかのコンクール出場した際、審査員でもある福田さんから、「今、音楽性とテクニックと集中力の対決をしている」という話があったということを伺いました。
本来異なる座標軸なので、判定はまさに審査員の価値観(好み)ということになるのでしょうか。たぶん福田さんなら、「さらに上の世界ではそのどれもに優れた人がいる」というでしょう。それに音量や音質といったものも重要な要素になると思います。

本選で最初にトプチーを聴いたとき、わざわざ地方から聴きに来た甲斐があったと思いました。昔イエペスや山下を聴いたときの印象が浮かんできました。どちらも厚生年金会館の後ろのほうで聴いたのですがそのときの音に似ていました。悪魔の奇想曲曲など、この人が1位でもおかしくないと思いました。また課題曲では譜面を見て弾いても良いんだと納得しました。(あとで、課題曲を完全に演奏しなかったとのことで失格となってしまいました。譜面を見てたのになぜ演奏しなかったのか気になります。どこかで入手した不完全なコピー版を使ったのか、なんて妄想してしまいます。)

小暮さんは、課題曲からトプチーとは違って音楽に深く入っていたと思います。他の演奏者に比べて和の感じがしました。次のシューベルト/メルツも良かったです。豊かな感じがしました。メロディ、ハーモニーの美しさは悪魔の奇想曲以上で、さすがシューベルト/メルツだなと思いました。また音がよく響いていました。楽器はメキシコの名工アベル・ガルシア・ロペスとのことです。この時点で小暮さん、いけそうと思いました。

フローリアンは優勝候補ですが、昨年のようなオーラが感じられませんでした。スカルラッティは音が今ひとつ冴えなかったように感じました。トゥリーナは、スペイン風だけでなくパリ風のデリケートな感じもよく伝わってきてさすがです。ただ、終盤の切れが今ひとつ。課題曲は全体の構成もよく、最後まで集中して聴かせました。課題曲は全員の中で最高だったと思います。

ハーブ、最初のバッハでチェロの重厚さが感じられず音も迫力がなく、ジュリアーニの選曲の古さに途中から眠ってしまいました。

パルフィノビッチ、前回アグアドのロンドを今ひとつ精彩がなく弾いたことが印象に残ってしまっている。今回は予選からなかなかしっかりした演奏で気合をいれて臨んでいることが伝わってきました。ホセのソナタを好演し見直しました。

レジック、この人は音がふくよかで音楽がしっかりしており課題曲もかなり良かった。レニャーニ、スカルラッティという選曲でそつなくこなし、最後に弾いた現代曲で勝負するという作戦か。高い技量は感じたが、「思い出の音楽」はモーどうにかしてという感じだった。
(後で家でディラのCDでこの曲を聴いたが、こちらは全然聴きやすかった。)

全体的な印象では、レジック、フローリアン、小暮さんが上位で、次がトプチー、パルフィノビッチ、ハーブという感じを持ちました。

今回の順位では、小暮さんが5位で、ハーブが2位ということが良く分からないという方が多いようです。私も気になっていました。某ブログに採点表が載っていたので、少しながめてみました。

今回は1位から5位までの総合点差が7.5点しかついていない状況。11人の審査員で一人25点満点。一人の審査員の1位から5位までの差は、少ない人で2点、多い人で6.5点ありました。このうち6.5点と6点差のあった2人が小暮さんにかなり低い18点をつけていました。このうちの一人はピアニストです。小暮さんの選曲のシューベルト/メルツは確かもとはリストか誰かのピアノ版があったような記憶があります。グラナドスもオリジナルのピアノに比べると物足りない印象だったのか?また、この方はフローリアンを5位(17点)に、ハーブを1位(23点)としています。ハーブに最高点をつけているのはこの方だけです。なお、福田さん、荘村さんもハーブを2位にしています。私が聴いていなかったアッシャーワルツが良かったのか?一方ハーブを5位にした方も3名おり、評価が分かれています。(私も予選の日のブログでハーブのバリオスは良かったと書いています)
また、パルフィノビッチを1位にした人もいます。小暮さんも単純集計ではパルフィノビッチと同点で4位。兎に角、僅差だったことと評価が分かれたというのは事実のようです。なお、単純集計の後で補正・調整をしているので上記の点差がそのまま影響してはいないと思われます。レジックについては1位にした人が7名おり順当なところでしょう。

今回のコンクールは、世界レベルのギター演奏の座標軸が感じられ、とても有意義でした。また、ため息の出るような音の運び、もっと聴いていたくなるような演奏もあり、楽しめました。

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